「船/橋 わたす」は、芸術系の学部・学科のない奈良県立大学を舞台に、多様な価値観を共有することを目的として2017年から開催している。今年度は、地域社会(岩手県陸前高田市)に旅人として介入し、対話の場を市民と協働で行うなど、対面で行うコミュニケーションを多く紡いできたアーティストの瀬尾夏美さんを招聘した。今回は、10年前に子どもだった人たちを対象としたワークショップと、それを元にワークショップ参加者と協働でつくる展覧会をプロジェクトとして開催した。
現在コロナ禍で生活している私たちは、“へんでふつう”ともいえる日常を過ごしているのではないか。また、10年前に子どもだった人たちは、震災後の“へん”な社会状況を“ふつう”として、子どもから大人へと成長してきた。震災から遠いと思っている人たちが、自分自身の生い立ちや物語を震災後の時間として振り返ることで、今まで語られてこなかった語りが生まれるのではないかと考える。ワークショップと展覧会を通じて、話すこと、立場の違う多くの人の声を聞くこと、そこから多様な価値観を共有することを本プロジェクトの目的としている。
会期:2020年12月12日(土)〜12月20日(日)13:00-17:00
場所:奈良県立大学 地域交流棟3階 CHISOU lab.
入場:無料
主催:奈良県立大学 地域創造学部 西尾研究室
企画:櫻井莉菜(西尾研究室4年)