地域活動協働研究ユニット
地域活動協働研究ユニット
RESEARCH UNIT

地域活動協働研究ユニット

研究テーマ
学生と卒業生が関わりながら地域活動を行うことを通じて、学生の学びの推進、卒業生の自己研鑽、大学の発展を目指す一連の活動及び研究
メンバー
研究代表者
村瀨 博昭 (奈良県立大学 准教授)
研究ユニット員

研究補助員

設置期間
2024年4月〜2026年3月
Summary
研究概要

奈良県立大学地域創造学部は2001年に設置された全国でも草分け的な地域系学部である。まだ地方創生という言葉が世に出る前から地域活動を推進し、学生が地域課題を解決する取り組みを通じて広くて深い学習をするという実践的な活動を行っている。しかし実践的な活動は難易度が高く、困難に直面して活動意欲を失う学生も多い。また、地域活動は土日夜間に実施されることも多く、学生のほか指導する教員の業務負担も大きく、実施できる条件が限られている場合がある。

このような中で、学生時代に同様の地域活動を経験した本学卒業生が、同じ苦労を知る立場を生かして本学の在学生に適切な助言等を行うことは、学生と卒業生の双方とって有益と考えられる。学生は自分で思考して行動するという重要な部分は尊重されたまま、課題解決の方法などについて社会を経験した卒業生から学習することが可能となる。また、卒業生との接点は学生の視野を広げ、社会での挑戦の機会を提供してくれる可能性ももたらす。一方、卒業生にとっても社会では目先の業務に追われやすい中で、学生の支援を通じて自らを振り返り自己研鑽を行う機会となるほか、社会に貢献することや、将来的には異なる立場や世代の人とも交流を図ることで、私生活の充実や価値観の幅を広げることにもつながる。そして、大学にとっても、本活動は卒業生の帰属意識の向上に寄与するほか、学生が社会で活躍して成果を挙げることにより大学のブランド向上にもつながる。さらに卒業生との接点の増加は、学生教育のほか教員の研究にも気づきをもたらす機会にもなる。

本学には帰属意識の高い学生が一部にいる一方、愛着を抱かずに卒業してしまう学生も中には存在している。比較的都市部にある条件の良い公立大学にも関わらず、知名度があまり高くないと認識している学生が多いことは過去のアンケートからも把握できており、大学のブランド向上を望む学生も少なくない。大学のブランド向上の本質は、本学を卒業するときに「この大学に来て良かった」と思える魅力である。在学中に地域活動など学びに積極的に取り組んだ卒業生が、学生に助言等を行うことで、学生と卒業生の双方の成長を通じて、そのような魅力を創造できると考える。

そして、この一連の活動について実践的な研究として取り組むことで、普遍的な方法論を構築し、未来の本学や地域の発展に貢献できるものと考えている。