明日香村を取り巻く状況が大きく変化するなかで、当該地域が守り目指すべき風景像には不明瞭な点が多く、かつその寄る辺となる資料も各所に散逸し、総合的整理・検討がなされぬままにあることが問題として指摘できる。この問題の改善に寄与すべく、当該地域において風景保存の問題が顕在化した昭和40年代から現在に至るスパンで、具体的に、当地のどの場所の、どのような風景が地域内・外の人々に「愛でられて」ないし「重視されて」きたのか、関連資料の整理を通し把握することとする。かつ、その風景構築のメカニズム、現状にみる課題の読解を通し、明日香村固有の風景特性と継承の方途について考究することを目的とする。
◇2024年度の成果
研究ユニットのスタートアップ期間に当たる本年度は、明日香村において風景保存の問題が顕在化した昭和40年代から現在に至るまで、民間の立場で長く当地の風景保存ならびに価値発信に取り組んできた「公益財団法人古都飛鳥保存財団」の所蔵資料の整理・分析に着手した。特に昭和40年代から飛鳥国営公園開園、明日香法成立など具体の取り組みが次々と実施された昭和50年代にかけての時間軸を中心に、当財団が直接・間接的に実施した事業に関する記録資料を重点的に抽出し整理を行い、当時の事業内容と体制に関する特徴の洗い出しを実施した。
2025年3月13日(木)奈良県立大学コモンズ棟 C207/C208にて、2024年度の調査成果を共有し、2025年度の方針を協議・検討する研究会をユニットメンバー全員出席のもと、以下の流れで実施した。