ブックタイトルnarapu 09

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概要

narapu 09

Pickup学生からの地域活動報告学びの場となる観光地・十津川村~持続可能な観光に焦点を当てて~活動背景・目的十津川村の観光は、森林が村面積の約96%を占める大自然の中で、地域住民が主体となって進められており、地域を維持していくための1つの手段となっています。しかし、地域資源が豊富であるにも関わらず、その地域資源を活かした観光がまだまだ全国的に知られていないという現状があります。そこで、私たちラナシンハ准教授のゼミ生は、観光客・地域住民・行政の方々にインタビューを行い、「十津川村における持続可能な観光の在り方」を検討することを目的に、フィールドワーク調査を行いました。今回のフィールドワークでは十津川村役場産業課観光グループ・地域おこし協力隊の角田華子さんにご協力いただきました。(3日目)「平谷地区地域交流センターいこら」を借りて、ラナシンハ准教授監修のカレーを私たちで調理して村の方々と観光客に振る舞う「Pop-up cafeスリランカ風カレー」を行いました。また、その場の方々に、村の観光の在り方や持続可能性についてのインタビューを行いました。(4日目)村の観光スポット「谷瀬の吊橋」で、観光客に十津川村での観光についてインタビューを行いました。ラナシンハ准教授監修のカレー現地での調査過程(1日目)行政の目線からみた村の観光について、十津川村役場産業課観光グループの鈴木悠太さんにインタビューを行いました。その後、村のアスレチック施設「空中の村」を視察しました【本誌表紙】。「空中の村」はフランス出身のジョランさんが、村の森林を活かして山で遊んでもらうことを目的に作った施設です。ジョランさんには、村の自然をテーマにした観光についてお話を伺いました。(2日目)村の方が実施しているお弁当体験で、めはり寿司づくりに挑戦しました。めはり寿司とは、高菜漬けの葉で包んだおにぎりのことで、山仕事や農作業のお弁当として、昔から食されてきた郷土料理です。その後、お弁当体験を運営している方、古民家宿泊施設「大森の郷」を管理されている方など観光に携わる地元の方々に、村の観光や現状についてインタビューしました。「空中の村」の吊り橋ジョランさんへのインタビューお弁当体験で、めはり寿司づくりに挑戦Pop-up Cafeでのインタビュー現地調査から持続可能な観光についての考察各所で行ったインタビューから、多くの地域住民は村の豊富な自然資源や文化を活かした観光が発展していくことを、前向きに考えていることが分かりました。この地域住民の思いは観光客が観光地での過ごし方を見直すいいヒントになり得ると思います。「空中の村」にみられる吊り橋や木の上でのコーヒータイム、読書や昼寝など、今までになかった新しい森での過ごし方は、地域の自然環境を守りながら観光業を活性化させている点が、持続可能な観光につながると思いました。地域の持続可能性に資する観光の実現のためには、観光事業者と観光客の両者が地域資源の使い方を理解する必要があり、地域住民と観光客とが交流の場を持ち、互いに村への愛着を共有することが、リピーターと関係人口の創出、長期の観光といった相乗効果を生み、地域の持続可能な観光を支える1つの要素になるのではないかと考えました。(汐入琴実、田中ノフィー、畑尾隆太、山口芽生、和田菜南、すべて3年生)担当教員からの一言奈良県内で持続可能な観光に力を尽くしている十津川村。そこで現地調査ができたことが学生たちにとって、とても貴重な機会になったと思われます。事前学習の段階から学生に多大なご支援をいただいた十津川村役場、地域おこし協力隊の方と地域の皆様に心よりお礼を申し上げます。(Ranasinghe Nirmalaラナシンハ・ニルマラ准教授)1