ブックタイトルnarapu 05

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概要

narapu 05

▲8月30日に実施された西山厚先生(半蔵門ミュージアム館長/帝塚山大学客員教授)による第1回レクチャー「〈奈良〉の信仰と美術──歴史はすべて現代史である」の様子撮影:茶本晃生奈良県立大学実践型アートマネジメント人材育成プログラム「CHISOU」オリエンテーションの様子撮影:茶本晃生本プログラムの名称「CHISOU」には、いくつもの意味が込められています。埋蔵文化財が豊富な地であることから、土木工事の際に地表調査や発掘調査が行われることも多い奈良(地層)。こうした歴史ある場所に立地する奈良県立大学は、全国でいち早く地域創造学部を立ち上げ(地創)※、地域に関する知識や知恵を蓄積してきました(知層)。平成27年に竣工した地域交流棟3Fには、レストラン誘致が試みられましたが実現せず、厨房スペースのコンクリートむきだしのスケルトン空間が、その痕跡として残されています。まるで発掘現場のような、他のエリアからは一段床面が下がったこの場所が、本プログラムの拠点になります。窓からは若草山が望め、四方を山々に囲まれた奈良盆地にいることを実感できるこの場所で、振る舞われたかもしれない料理(馳走)を想像してみると、地層、地創、知層、馳走……、いくつものCHISOUが重層的につながってきます。過去・現在・未来、あるいは史実と想像性を行き来しながら、あらゆる実験的創造をここから始めます。※観光社会学者の遠藤英樹は、「地域創造」のキーワードとして「つなぐ」を挙げ、「人と人をつなぐ」「地域と地域をつなぐ」「理論と実践をつなぐ」「大学と地域をつなぐ」「文系的な知識と理系的な知識をつなぐ」「学問体系と他の学問体系をつなぐ」などの特徴を指摘しています(奈良県立大学地域創造研究会編『地域創造への招待』晃洋書房、2005年)。これは、本事業におけるアートマネジメントのキーワードとしてもそのまま当てはめることができるでしょう。CHISOUディレクター西尾美也(美術家/奈良県立大学准教授)8