ブックタイトルnarapu 05
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narapu 05
県大生が聞く浅田学長にインタビューインタビュアー:桝田恭平(3年)/平塚真衣(4年)Q.奈良県立大学のある奈良県に対してどのような思いがありますか?A. 4月から奈良に住み始めて気付いたことがあります。私は京都で生まれ育ったのですが、奈良には子供の頃に過ごした懐かしい街の雰囲気「昭和の京都」が残っていることに驚きました。大学の東にある船橋商店街には、個人経営のタバコ屋、パン屋、八百屋、電器店、喫茶店などがあります。昔からの個人商店が続いているということは地域内で経済が回っていることであり、奈良は持続可能な生活を維持しているサステイナブルシティではないかと思っています。Q.浅田学長の専攻分野・研究は何ですか?A.工学部出身で専門分野は情報工学、特に画像認識や視覚情報処理です。学生の時から、超音波やCTなどの医用画像を解析して医師の読影診断を支援する研究をしていました。その後、人間のように2次元の視覚情報から3次元空間を認識するコンピュータビジョンの分野に進み、今のAI技術につながる研究を行ってきました。Q.県大生にどのようなことを望みますか?A.二十歳前後は、これから先の人生をどのように生きていくかという人生観や価値観の土台ができる大事な時期です。学生の皆さんには色々なことに挑戦して、沢山の経験をして欲しいと思っています。うまくいくこともあれば失敗することもありますが、成功も失敗も成長の糧として大事にしてください。学生時代はやり直す時間の余裕があるのと、若さというエネルギーを持っているので、沢山のことに挑戦して自分の言葉で語れる経験をできるだけ多く蓄積してください。Q.新型コロナウイルスによって前学期はオンライン授業となるなど、私たちの大学生活も大きな影響を受けました。このことで、学生に向けて何かアドバイスはありますか?A.入学式が無くなり授業開始も遅れてオンライン授業となり、学生の皆さんは身動きが取れず大変な時期を過ごしたことと思います。大学としてはICT環境や生活面で可能な支援をしてきましたが、人が交流し刺激し合う場を提供するという大学の大切な機能を制限することになり、皆さんの貴重なキャンパスライフに空白ができてしまったことを残念に思います。後学期は一部の授業で対面を再開する予定ですが、引き続きオンライン授業も継続することになります。通学した時は今までの学生生活を取り戻し、在宅の時は通学に充てていた時間を有効に使ってください。気分転換にも頭の刺激にもなるのが、人と話をすることと本を読むことです。今は色々な人と会うのが難しいので、この機会に読書の幅を広げてください。ネットで映画を楽しんでいる人に試して欲しいことがあります。それは、映画の原作本を読むことです。同じ内容であっても映画と本では構成や解釈が異なり、本で描かれた場面が映画の設定や配役によってはほとんど別作品になっていることがあります。名作を2倍楽しめるのでぜひ試してみてください。Q.県大生に向けてひとことお願いします。A.前学期はオンライン授業により学業を進めることができましたが、先生や友人との交流やクラブ活動を通じて学ぶ機会が失われてしまいました。早く対面授業を再開してほしいという声もありますが、通学するのは不安という声もあります。大学としては、安全を維持しながら学びの機会を最大限確保する環境づくりをしていきたいと考えています。大学には学生の存在が必要不可欠です。皆さんには自分たちの大学をより良くしていくために、考えたことや感じたことを大学に伝えてください。大学はそれを正面から受け止めて、一緒に奈良県立大学を作っていきたいと思っています。2