ブックタイトルnarapu 04

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概要

narapu 04

ゼミ紹介2地域経済コモンズコモンズゼミⅡ(3年次)やまべ山部ひろゆき洋幸ゼミ【地域創造学部准教授】山部ゼミでは経営に関することをテーマに学びを深めていますが、今回は3年生のゼミの様子を紹介します。大学の3年生になると大学生活の折り返し地点で社会に出るということを意識し始める頃です。社会に出る、すなわち多くの人は働くことを意識しているのですが、せっかく内定をもらって希望の会社で働き始めても早期に離職・転職する人はよく聞きます。そこで、ゼミ生はまわりの大学生が会社にどのような期待を持っているのか疑問に持ち、調査を始めることとなりました。春学期では数値を用いた分析である統計分析の手法を学習しつつ、アンケートの作成を進めていきました。学生に自ら質問項目を考えさせますが、妥当な分析結果が得られにくいこともあるので、既存の研究の質問項目をベースに自分たちの考えも入れてアンケートを完成させます。出来上がったアンケートは試しに知り合いの大学生に回答してもらい意見をききます。例えば、質問項目の聞いている意味が分かりにくい等の声があれば文面に修正を加えます。アンケートを用いた調査はそれを作成して答えてもらうだけではありません。調査目的に合わせて誰に答えてもらうのかという点も考えなければなりません。今回は「都市部在住の大学生と地方在住の大学生で考え方に違いが出るのか調べてみたい」という意見が出ましたので、関西エリアの都市部の学生と別の地域の大学生にも答えてもらうことになりました。後学期ではアンケートの依頼・収集を行い、結果、総回答数としては200以上になりました。答えてもらったアンケートはPCに一つ一つ数値を打ち込み分析ができるようデータ化していきます。本稿執筆時点ではこれから統計分析を実施して、報告書の作成をしていくところです。統計分析は数値を用いて考察し、報告書の上では格好よくみえますが、そこに至る過程は地道な作業です。集計作業から場合によっては何度も分析を繰り返します。結果としての数値は出ますがそれで終わりではありません。数値の解釈は人間が行います。ゼミ生同士議論しながら妥当な解釈を導き出す必要があります。このようにゼミでは知識を教えるだけではありません。学生には試行錯誤の中で妥当な結論をどうやって導き出すのか、何度も問いながら考え、試して自身で答えを見つける、そのことを理解してほしいと思います。(山部洋幸)4