ブックタイトルnarapu 03

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概要

narapu 03

都市文化コモンズ―都市社会史―メディア・表象―アート・アミューズメント「感覚の洗濯」大インスタレーションの様子撮影:西野正将コモンズ活動事例報告いわき芸術文化交流館アリオスにおける洗濯物の大インスタレーション福島県いわき市にある「いわき芸術文化交流館」の愛称は「アリオス」と言います。Art(芸術)、Life(生活)、Information(情報)、Oasis(オアシス)、Sightseeing(観光)の頭文字を合わせた造語ですが、広報グループチーフの長野隆人さんによると、この5つの要素をすべて満たした企画をつくるのは実に難しいそうです。それに挑戦すべく、長野さんと筆者が協働して2017年秋に小名浜の横町公園から始めたのが「感覚の洗濯」という企画です。洗濯物をプライベートとパブリックをつなぐモチーフと捉え、市民が洗濯物を持ち寄って公園で手洗いし、まちの憩いの場(Oasis)に万国旗のように干すことで、個人的な素材(Life)で自分たちのまちを彩るワークショップです。洗濯物が乾くまでの間は、変わりゆくまちの風景をスケッチ(Art)したりお昼を食べたり……。そして完成した作品を積み込んでいわき市内を歩き、まちの洗濯物を見東口ウォールギャラリーでの展示風景撮影:西野正将「洗濯物のある風景」の写真をフラッグにして、商店街の街路灯に展示撮影:西野正将物しながら、また別の地域でワークショップや展示を行うツアー(Sightseeing)。そうして各所で蓄積したスケッチや記録が、地域の記憶を留める貴重な情報(Information)になる、というわけです。そして、最終的には2019年5月に「『感覚の洗濯』いわきツアー2017-2019ファイナル」と題して、これまでのワークショップやツアーの様子をまとめた4作の映像作品を、アリオスの東口ウォールギャラリーに投影しました。また、3年にわたったプロジェクトの最終回として、アリオスのデッキテラス約400メートルに洗濯物を干す大インスタレーションも展開しました。この最終回には、アートマネジメントに興味があって本学に進学した櫻井莉菜さん(3年)と、演劇活動を盛んに行っている四方遼祐くん(4年)にスタッフとして関わってもらいました。かれらのレポートが、「いわきで見つけ5