ブックタイトルnarapu 03
- ページ
- 12/16
このページは narapu 03 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは narapu 03 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
narapu 03
県大生の地域活動レポート「天理市行政施策貢献学生」の認定を受けて考える「地域活動をする意義」奈良県立大学4年生、高津ゼミ所属の西村笙平です。2018年度、私は天理市より「天理市行政施策貢献学生」に認定していただきました。「天理市行政施策貢献学生認定制度」とは天理市が関わる行政施策、またはそれに資する活動で学生がボランティアとして行った活動を認定し、学生はその名称と認定書を就職活動で使用することができる制度です。私は天理市福住地区で「高原地域交流協議会」が行う、いくつかの事業に参加しました。認定式にて天理市の並河健市長と記念撮影(左が筆者)天理市福住地区は豊かな自然と独自の地域文化が魅力の中山間地域です。この地域の高齢化率は約50%、児童数は10年間で約半数減るなど、深刻な少子高齢化と過疎化を抱えています。「高原地域交流協議会」は貴重な地域資源を守るために様々な事業に取り組んでいます。まず私は「氷室神社」の秋祭りのボランティア事業に参加しました。「氷室神社」は福住地区にある「氷の神様」を祀る神社です。例祭の秋祭りは拝殿での神事の後、天狗や甲冑姿、白装束の氏子らが神輿の渡御を行い、稚児たちは太鼓台を引き、地域住民が参加して盛大に行われます。「氷室神社」秋祭りにて拝殿での神事の様子しかし、このまま少子化や過疎化が進めば、地域住民だけで祭りを行うことが困難になります。だから、祭りの存続のためには地域外からも参加できる行事にしていく必要があります。その取り組みの先駆けとしてまず、私が稚児たちと太鼓台を引く役割で参加しました。地域住民たちで賑わう様子から、秋祭りは地域に活力を生むために大切な機会であることを感じ、長く存続させていく必要性を感じました。しかし、そのためには地域外の人にも、参加する価値が感じられるような受け入れ体制を整える必要があることも感じました。次に「地域の魅力発信動画作成ワークショップ」に参加しました。講師に動画作成のノウハウを教えてもらい、地域の方とグループを組んで、特産物である大和野菜の「三尺キュウリ」を題材に動画を作成しました。地元の方にお話を聞き、三尺キュウリの特徴を動画で伝えるために実際に食べて見せたり、普通のキュウリと並べて映したり、動画の特性を活かして作成してみました。古くから残る自然や文化が創り出す雰囲気、スローライフな生活など、写真や言葉では伝えづらい中山間地域の魅力が「動画」という手段で、よりリアルに伝えられるということを学びました。その後も福住地区での活動で継続して動画を作成し、YouTubeで発信しました。「天理市行政施策貢献学生認定制度」について紹介させていただいたのは、学生が地域で活動をするきっかけになれば良いと思うからです。私は地域に出て活動したことで上記のように、そこでしかできない経験をし、知らなかったことを知り、気づかなかったことに気づくことができました。何かを始めるときに必ずしも明確な「目的」を持つ必要はないと思います。きっかけが何であれ、一歩踏み出し、やってみることで自分にしかできない貴重な経験ができるのではないでしょうか。学生にとって、この制度が「地域に対して」、「自分に対して」一歩踏み出すためのきっかけになれば幸いです。奈良県立大学4年生コミュニティデザインコモンズ西村笙平三尺キュウリのPR動画のワンシーン里山TVこれまでに作成した動画が見られるYouTubeチャンネル11