ブックタイトルnarapu 03

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概要

narapu 03

地域経済コモンズ―地域経済―地域産業―流通・マーケティング本学多目的ホールにある川島織物製の緞帳コモンズ活動事例報告1川島織物セルコン工場と文化館の見学2019年5月21日、小松原の担当するコモンズゼミでは、3年生と4年生を対象に、京都市左京区にある、川島織物セルコンの工場とその文化館を見学しました。川島織物は帯や舞台の緞帳,呉服,美術工芸織物などやカーテンやクロスなどのインテリア・室内装飾事業を手がけています。奈良県立大学の多目的ホールの緞帳も制作し、大学ともなじみがあるといえます。まず工場に行き緞帳などの織物作品や工程を見学しました。大きなものになると製作に関わる人も人件費も膨らみ、糸の業者や機械の製作会社、図面の作製など多岐にわたる職種が関係していることを知りました。緞帳は舞台の正面を彩る幕で、この制作工程の見学時には2件の注文に対応、同時進行で作成中。その際に、チームで協力して織り上げ川島織物文化館へエントランスホールるものであるということがわかりました。職人技によるところと、新人の方でも可能なところは制作に携わり、分業体制で取組んでいる様子をみることができました。様々な技法があり、高度な技術は職人歴の長い方で人材も限られ、作成にも時間を要し、織物は繊細な技術を必要とするので、人が育つのにも時間がかかり、後継者の養成や技術の受け継ぎも急務との事情もうかがえました。川島織物文化館では、古くからの織り方や、それに伴い作られる着物やインテリア商品の見学をしました。ここでは経糸と緯糸が一本づつ交わる綴れ織りという技法とその説明を受けました。絵のぼかしやグラデーションを美しく表現可能とのことがわかりました。館内では3件の企画展を開催。まず、「大阪・関西万博開催決定記念万国博覧会と川島織物」では、19世紀末から1970年の大阪万博まで、川島織物が万国博覧会に出品したものや、参加にまつわる古書類や出品物、写真など興味深いものが数多く並べられており、近代化を進める日本にあって、当会社のスタッフが航路の長旅をへてヨーロッパの地における博覧会での活躍を知ることができました。また、皇室とのかかわりにちなんだ「明治150年・平成30年記念『皇室とのゆかり』行啓とご即位のしつらえ」と「<創建110年>令和に継がれる迎賓館赤坂離宮『華麗なる旧東宮御所の美』」を開催中で、これらの展示では、明治期に普及し始めた洋館の室内装飾、カーテンやクロスなどのインテリア・室内装飾事業など、会社のもう一つ側面も垣間見ることがでました。今回の訪問では、展示物は、どれも織り目がわかるくらい間近で見学することができました。何よりも、案内担当の方が丁寧にわかりやすく説明して下さり、質問に対してもしっかりと返答して下さいました。多くの貴重な織物も9