ブックタイトルnarapu 01
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narapu 01
観光創造コモンズ―観光ビジネス・政策―景観マネジメント―アジア・グローバル観光交流資料整理状況コモンズ活動事例報告大淀町で大正・昭和初期の一次資料を見る岸田日出男(1890~1959)は、大正から昭和初期に吉野熊野国立公園の成立に奔走したことで知られる、吉野郡役所・奈良県庁の林業技師です。大淀町の岸田家には日出男の資料(図書、雑誌、自筆資料、写真、映画フィルム)が多数残されていました。その整理・保存と公開準備作業を、2017年度から大淀町教育委員会と本学が協力して進めています。本活動では、実物資料(一次資料)に直接触れて分類・整理・保存作業を行うという、稀少な体験をすることができ、ボロボロになりかけた資料やホコリにまみれた資料を扱う苦労はありましたが、参加者は、調査研究の基礎となる一次資料の整理・保存の大変さと重要性を実感できたと思います。作業は、大淀町杉本記念文化センターに保管されている資料(段ボール箱60箱程度+書籍、雑誌)を箱から取り出し、内容を区分し(写真A)、資料内容のデータの入力、収納箱・書棚への収納作業を行いました。夏季・冬季休業期間の32日間、猛暑の日、大雪の日もありましたが、資料のほぼ9割について、整理し、書棚に収納できました(写真B)。(1)自筆原稿、(2)古文書、(3)古文書写、聞き書き、その他自筆資料、(4)公文書(奈良県関係)、(5)刊行されていない資料類、(6)写真(焼付け写真、ガラス乾板、ネガ、写真帳)、(7)書簡類、(8)パンフレット(観光、その他)、(9)絵葉書、(10)図書、(11)雑誌、(12)地図(地形図、作業図、その他地図類)、(13)新聞(切り抜き)に分類し、資料約3400点(うち写真900点)を整理し、リスト化しています。個人的におもしろかったのは地図類で、岸田は旅行で訪れる地域の地形図を購入し持参たようで、北は十和田、八甲田から、月山、磐梯山、日光、佐渡、富士、南アルプス、北アルプス、御嶽、大山、石鎚山、霧島、朝鮮半島まで、多くの地形図が残されていました。大峰山系や大台ケ原の作業図には山行の行程を記録した図もあり、岸田の吉野地域での足跡がたどれる資料もあります。地形図以外にも大正年間の民間発行の分県地図、奈良県の管内図、市町村管内図などがまとまって残され、大正期、昭和初期の地図類は貴重な資料といえます。A自筆資料の分類整理状況B岸田日出男資料の収納状況3